昨日まで、藤屋伸二先生のご著書に当事務所の話を取り上げて頂いたことから、
昨年の振り返りとこれから取り組みたいことについて書かせて頂きました。
引き続き、昨年の振り返りをさせて頂きます。
本に載せて頂いたと言えば、
昨年末はもうひとつ嬉しいことがありました。
「陽明学研究会 姚江の会・群馬」でご指導いただいている
陽明学研究家 林田明大先生のご著書のあとがきに、
原稿用紙2枚ほどの文章を書かせて頂いたのです。
その本は、『真説「陽明学」入門』(増補改訂版)。
林田先生の記念すべきデビュー作であり、
先生が命がけで書いたのは後にも先にもこの1冊であり、
さらに、私を陽明学に導いてくれました1冊でもあります。
今回の重版が第六刷というロングセラーですが、
近年の動きを反映させるため「あとがき」を書き直すことになったとのこと。
近年の動きのひとつは、本書の英語版が出ること。
もともとグロービス経営大学院で必読書となっていましたが、
この度、グロービスで英訳され、電子版として発刊されることになりました。
英語版の序文を堀義人学長が書いていて、「あとがき」に掲載されました。
もうひとつの動きが、「陽明学研究会 姚江の会」です。
今回、姚江の会を代表させて頂き、
姚江の会・群馬の3年間で学ばせて頂いたことを書かせて頂きました。
以下、先生のご許可を頂き、「あとがき」の一部を転載させて頂きます。
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増補改訂版あとがき(六刷)
月に一度のペースで開催される「陽明学研究会 姚江の会・群馬」が高崎市でスタートして三年目を迎えた。高崎市で税理士事務所を開いておられる小澤昌人氏と平成二〇年五月にご縁をいただき、平成二四年四月二〇日に開催された「小澤昌人税理士事務所一〇周年」の私の記念講演がきっかけで、同年六月から陽明学の勉強会をスタートした。
第一回目からは、拙著『真説「陽明学」入門』を手始めとする一連の私の著書をテキストに陽明学理解を深めていただき、現在は、「陽明学のバイブル」と称される『伝習録』の輪読を行なっている。
平成二六年には、読者からの要望もあり「陽明学研究会 姚江の会・東京」もスタートした。
会のことについて私があれこれ述べるよりも、「陽明学研究会 姚江の会」を代表して「姚江の会・群馬」の主宰者の小澤昌人氏に語っていただこう。
『林田先生に直接ご指導いただくようになり、二年半が経過した。先生のご著書を拝読して感想文を書くことから始まり、現在は『伝習録』の完読を目指している。その間に体感できたことを一言で言えば、この一文が最適ではないだろうか。
「良知を発揮するというこの一句には、全く欠陥がない」(溝口雄三訳『伝習録』下巻、六十二)
私はもともと陽明学の熱心な読者ではなかった。自己啓発本の中の一冊が林田先生のご著書だったというだけだ。ところがご縁あって、先生と知り合うことができ、高崎でご講演いただき、その流れで陽明学の勉強会である「姚江の会・群馬」を主宰させていただいている。
自分一人で先生のご著書と向き合っていた時、陽明学のキーワードである「致良知」「知行合一」「心即理」などを理解した気になっていたが、それは言葉として頭で分かっただけで、体得したわけではなかったと、繰り返し学ばせていただく中で感じている。
これまでの人生において、学問とは知識をインプットするものだと思い込んでいたが、これとは別に「心学」と呼ばれる心を鍛える学問があったのである。
林田先生から最初にご指導いただいたことは、心の動きを観ることだった。自分の中の「良知」の声、内なる声に耳を澄まし、その声なき声を発揮する、言い換えれば素直に従うことを習慣化するまで工夫と努力を続けるという、そのような「心学」の存在をこれまで知らなかったのだ。
学び始めた頃よりも、日常の中で「知行合一とはこういうことだろうか」とふと感じることが増えた。勉強会では、疑問を持ち合って仲間と語る。かっこつけずに自分をさらけ出す。さらに先生にご意見をいただく。会を始めるまでは自分一人で勉強していたからこそ、このような方法が効果的だということを実感している。この場を借りて、先生と仲間に感謝を申し上げたい。
「良知」は磨けば磨くほど光るもので、そこに完成はない。これからも「良知」を最高の師として学び続けたい。』(平成二六年一二月一一日 小澤昌人)
小澤氏の一文にあるように、陽明学の教えを実践体得するには、陽明学でいう「良知」を自覚することから始めなければならないのだ。私はそのことを、主に日本陽明学から学んできた。
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なぜ陽明学の勉強会をやっているのかという質問を頂くことがあるので、
これまでやってきたことを振り返りながら書いてみたいと思います。
<つづく>
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