さて、昨日の続きです。
若干、迷いましたが、恥を忍んで2008年5月5日の記事を旧ブログを転載し、
これをネタにここ数年で学んだことを書いてみます。
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陽明学研究家 林田明大先生の新刊。
これまでの先生の本と比較して、かなり読みやすくなっています。
読みやすくなっているとは言え、内容は濃く、
実例が多いせいか、今の自分には、ハラに落ちることが多かったです。
これを読んだ後、先生の『真説陽明学入門』を再読したら、
理解がより深まった気がしました。
陽明学について、私はまだまだ多くは語れません。
というのも、林田先生の本を読むたびに、
自分に行動が伴っていないことを痛感するから。
つまり、「語ること」と「すること」にギャップがあるな、と。
それでも、自分で様々なことを体感しながら、
「これがもしかしたら知行合一ってやつなのか?」
などと試行錯誤して、その境地に達したいと努めています。
でも、とにかくまだまだです。
(わかっちゃいるけど…、というやつですね。)
うちのスタッフにもこの本を読んでもらいたいので、
配りたいのですが、そんな訳で配ってません。
胸を張って配れるようになろう!と、
ここにこっそり宣言しておきましょう。
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以上、突っ込みどころ満載ですが、あえて何点かに絞って、
7年前の自分に返信を書いてみます。
> 今の自分には、ハラに落ちることが多かったです。
> 理解がより深まった気がしました。
3年ほど前から、陽明学研究会 姚江の会で学ばせて頂いていますが、
最初に先生から出た宿題は、自分の心の動きを見ることでした。
例えば、電車の中で隣に人が座った時にどのように心が動くか。
おじさんが座った時とお姉さんが座った時はどう違うか。
車を運転している時に、横から無理な割り込みをされたらどう心が動くか。
分かっていることを人に指摘された時、どんな感情が湧くか。
日常の中で心の動きを見ることがいかに少ないか、
そして、いかに自己中心的な思考をしているかに愕然としました。
これが習慣化してきた今、
「ハラに落ちる」とか「理解が深まった」と書いたことは、
所詮、言葉として理解したつもりになっていたと思います。
> 陽明学について、私はまだまだ多くは語れません。
> というのも、林田先生の本を読むたびに、
> 自分に行動が伴っていないことを痛感するから。
これは違う気がします。
語れないのは、カッコ悪い自分を見せたくない、
そして、自分を良く見せたいという「私欲」があるからではないでしょうか。
これは合気道の審査でも痛感しました。
> つまり、「語ること」と「すること」にギャップがあるな、と。
江戸しぐさの「しぐさ」は「思草」と書くそうです。
つまり「思い」が「行動」として現われるということ。
陽明学の「知行合一」と同義です。
そして、これは無意識でも現われています。
つまり、思っていることはギャップなく行動になっているけど、
それが癖になっているから気づいていないだけかもしれません。
> それでも、自分で様々なことを体感しながら、
> 「これがもしかしたら知行合一ってやつなのか?」
> などと試行錯誤して、その境地に達したいと努めています。
> でも、とにかくまだまだです。
> (わかっちゃいるけど…、というやつですね。)
では、最初に書いたように心の動きを見ること、
そして、自分の中の声なき声を忠実に発揮することから始めてはどうでしょう。
これを「致良知」と言います。これについては後日書きます。
> うちのスタッフにもこの本を読んでもらいたいので、
> 配りたいのですが、そんな訳で配ってません。
「そんな訳」だからこそ配ってはいかがでしょうか。
できていないけど努力と工夫を続けることが大事ではないでしょうか。
以上、過去の自分との対話ですが、
自分の思考の癖が今だから見えることがありますね。
当時のブログを読んでみて、にじみ出ているのは、
自分を大きく見せようという癖のような気がします。
こうした心の癖を見るのはきついから見ないこともできます。
しかし、これを見ることで気づくことが多いのは事実。
陽明学の勉強会を継続している理由の一つは、確実にこれです。
さて、この記事に対して、林田先生がくださったコメントは以下の通りでした。
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分かったら、実践できたら、体得したら、などと考えることに何の意味もありません。あれこれ作為(無駄な思考)を巡らせるのではなく、「これ、面白かった、参考になった、よかったら、読んでみてください」と自然に言えれば、その時あなたは変わります。
まず、自分から変わろうとしなければ、始まりません。まず、変わろうと試みること、考えていても駄目なんです。もっと、気楽に、楽しんで生きてみてください。慎重過ぎますね(笑)。
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…まさにその通りですね(笑)。
<つづく>
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