昨日は税理士会の関係で、高崎経済大学で講師を務めさせて頂きました。
与えられた演題は、「相続税実践その1」。
相続税という以外はフリーハンドだったので、
学生さんにわかりやすいようにと考え、ストーリーを用いてご説明しました。
タイトルは、「ストーリーでわかる相続税~『僕』が伝えたかったこと」。
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定年と同時に介護事業を妻と始めようと準備していた山田一郎=「僕」が、
退職の日に不慮の事故で死亡する。
ところが、心配事があり、魂がこの世に残ってしまう。
その心配事とは、妻と長男の妻の関係、長男の仕事のこと、長女のいじめ。
遺産から考えて相続税がかかるということで、
税理士小澤がサポートして遺産分割を進める中、
「僕」の思い出を語る機会が何度かあり、
「僕」が伝えたかったことは何だろうと皆が思い始める。
そんな時に、父の本棚を整理していて、
特別に付箋や書き込みが多い1冊の本を見つける。
それが『後世への最大遺物』。
上毛かるたの「こ」に取り上げられている、
群馬県出身の偉人の一人、内村鑑三の著書。
その本には、
この世に生れて、後世へ金、事業、思想などを遺すことも考えられるが、
「勇ましい高尚なる生涯」こそが最大の遺物であろうと書いてあった。
大言壮語することなく、コツコツと真面目に働き、
家族の和を第一に、一生を送った父。
この生き方こそが「僕」が伝えたかったことではないかと気づき、
妻と長女の妻は語り合って和解、長男は父の遺志を継ぎ起業、
長女はいじめられている人を励ます仕事を目指す。
それを見て、「僕」は天国へ…。
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…という非常に使い古されたベタな展開ですみませんといった感じですが、
そんな話に相続税の計算を絡めてお話しさせて頂きました。
限られた時間だったので、若干難しく感じた方もいらっしゃったかもしれませんが、
なんとか無事に終えることができました。
ご清聴いただいた学生の皆さん、ありがとうございました、
相続税の対象になる遺産は、金額的に換算できるものです。
しかし、相続するものは、そうした形を与えられるものだけでなく、
むしろ形を与えられない生き方のようなものこそ大事ではないか。
相続税を通じ、そんな暑苦しいメッセージを大学生に伝えたいと考えました。
いわば、「僕」=山田一郎=小澤という図式ですね(笑)。
伝わったかどうかはわかりませんが、
誰か一人でも、「おわりに」の部分で挙げさせて頂いた、
内村鑑三の『後世への最大遺物』、
吉田松陰の『留魂録』、
スティーブ・ジョブズの米スタンフォード大卒業式(2005年6月)スピーチ、
の一つでも興味を持って読んで頂ければ良いなと思っています。
推薦して下さったK先生をはじめ、
このような機会を与えてくださった皆様、ありがとうございました。
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