日経新聞に池上彰氏の『池上彰の大岡山通信 若者たちへ』という連載がある。
昨日が連載第46回目で、タイトルが「アメリカにみる大学の将来」。
内容をまとめると、このような感じだ。
米国の大学といえば、リベラルアーツ教育に力を入れていることで知られるが、
最近は様相が変わってきたらしい。
学生に教養を与え、啓蒙するという伝統的な場から、
最新の資本主義の目標と需要を満たせるような人材の育成に力を入れるようになった。
日本でも同様の傾向がみられるが、「社会から求められる学部」ばかりつくっていたら、
社会からの要請がなくなった途端、存在の意味がなくなってしまうのではないか。
このような問題提起をした後、慶應義塾の元塾長、小泉信三氏の発言を取り上げる。
「すぐに役に立つことは、すぐに役に立たなくなる」
先週、高崎市倫理法人会様で講話をさせて頂いたが、
その際にお話しさせて頂いたのは、以前も書いたことがある、
スティーブ・ジョブズの「点と点を結ぶ」という話だ。
繰り返しですが、将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。だから、我々はいまやっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない。
自分のこれまでの活動の根っこには、大学時代に「たまたま」出会った教育がある。
すぐに役に立つ勉強だったかと問われれば、確実に「ノー」だが、
その情熱を傾けた寄り道のおかげで、
自分の人生を考える物差しをもらったように思っている。
遊びや隙間は大事だ。
すぐに役に立つことは、すぐに役に立たなくなる。
何かを学ぶ際に頭に置いておきたい言葉だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿