さて、今日からブログを再開してみようと思う。
先日、橋本治さんの『大不況には本を読む』という本を読んだ。
数年前に読んだものだが、なんとなく気になって、
積まれていた本の中から、再び手に取って読んでみた。
産業革命から世界の経済発展、
日本の高度経済成長、それがぶつかった壁。
そんな今、我々は何を学び、考えるべきか。
面白くて一気に読み終えた。終章の畳みかける感じは秀逸だった。
その中で、「本を読む」ことについて、このように書いてあった。
「本を読む」ということは、「書き手の言うことをそのまま受け入れて従う」ことではありません。「書かれていること」を読んで、「そこに書かれていないことを考える」というのが、「本を読む」です。「そこに書かれていないことを考える」が「行間を読む」であるのは、言うまでもありません。
なぜ本に「書かれていないこと」が存在するのかと言えば、「本の書き手の視点」が、「その本の読み手の視点」と必ずしも一致しないからです。
もう一つ、本には「書かれていないこと」が存在する理由があります。それは、本の多くが「過去のこと」を語っていて、「それでどうなんだ?」という「現在から先のこと」を考えるのが読み手の担当だという、「仕組みになっている」からです。
「なんでそういう仕組みになっているのか?」というのは、「愚問」です。そうでなければ、「本を読む」ことに意味がなくなるからです。「読み手にものを考えさせてくれる」というのが本で、それがいやな人は「命令書」を読んで、「ふん、ふん」とその指示通りにしていればいいのです。
(「『書かれたこと』を読んで『書かれていないこと』を考える」220~221頁)
誰もが知っていることを文章化しただけかもしれない。
しかし、これを文章で見たことが衝撃だった。
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