2014年11月27日木曜日

短期的な顧客利益、長期的な顧客利益

ビデオに撮ってあった「プロフェッショナル 仕事の流儀」の10月27日放送分を見た。
サブタイトルは「ぶれない志、革命の歯科医療」。
 
取り上げられた「プロフェッショナル」は、熊谷崇氏。
山形県酒田市の歯科医だ。
人口11万人の酒田市の約1割がこの歯科に通うとのことだ。

熊谷氏が注目されるのは、徹底した虫歯予防にある。

「診療所に通う子どもの8割が、20才になっても永久歯に虫歯が1本もできないなど、世界屈指の実績を上げている熊谷。その実績の裏にあるのは、地道な患者教育だ。」

「山形・酒田で今のスタイルでの歯科医療をはじめた35年前、熊谷のやり方は患者に全く受け入れられず、ときに患者に罵倒されることさえあった。だが熊谷は、どんなに苦境に立たされても考え方を曲げずに貫いたことで、次第に患者の信頼を勝ち得、今の実績を積み重ねてきた。『真の患者利益とは何か』。熊谷は今日もその問いを胸に、患者と向き合う。」

(以上、番組HPより。)

虫歯になったから通う歯科でなく、虫歯にならないように通う歯科というコンセプトは、当初なかなか理解されず、経営的なご苦労もあったようだ。
しかし、「逃げない、ブレない」の精神で、常に「真の患者利益とは何か」を自らに問いながら診療に当ってきた。

番組の中で、独立開業したての歯科医が、熊谷氏の教えの下、地元で予防歯科を中心に添えたクリニックを開業したものの、患者になかなか受け入れられずに苦悩するシーンがあった。

「真の患者利益」は、患者の理解に基づく共同作業でなければ実現できない。

虫歯を治すだけの方が、クリニックも患者も楽だ。短期的な患者利益になる。
しかし、長期的な患者利益ではないだろう。これでは根本的な虫歯治療にはならない。
だからこそ、地道な患者教育が必要なのだ。

これを見ながら、自分の仕事に置き換えて考えさせられることが多かった。

我々の「真の顧客利益」は何かと言ったら、つぶれない会社を作ることで、経営者やそこに働く方が豊かになることだと考えている。
それは税金の計算だけしているだけでは当然実現できないが、我々だけが騒いでも実現できない。
やはりお客様と方向を共有し、共同作業しなければならない。

熊谷氏は患者の一生の利益を考えて治療に当たる。
そのためには地道な患者教育を行う。

我々も経営者の方の一生をサポートできるよう、一歩一歩、妥協なく取り組もう。
当然、時間がかかるだろう。でも、だからこそ挑戦し甲斐がある。

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